バレンタインデーといえば、恋人たちが愛を確かめ合う日として世界中で祝われています。しかし、韓国では単なる恋人向けのイベントにとどまらず、自治体や企業がバレンタインを活用して未婚男女の出会いの場を提供するというユニークな試みが行われています。その代表的な例が、**ソウル市と韓国大手保険会社・ハンファ損害保険が共同で開催する『설렘, 아트나잇(ときめきアートナイト)』**です。本記事では、この韓国ならではのバレンタインイベントについて詳しく紹介します。

ソウル市とハンファ損害保険がタッグを組んだ理由
近年、韓国では若者の恋愛離れが進んでいます。ハンファ損害保険が実施した調査によると、ソウルおよび首都圏に住む25〜39歳の未婚男女1000人のうち、約54.2%が現在恋愛をしていないという結果が出ました。
恋愛をしない理由として、「一人の時間が快適」「趣味に時間を使いたい」といった自発的な要因のほか、「経済的な負担」「出会いの機会が少ない」など、環境的な問題も多く挙げられています。特に、「異性との出会いの場がない」という回答は男女問わず多く、こうした状況を受けて、ソウル市とハンファ損害保険が連携し、未婚男女の健全な関係形成と社会的つながりの拡大を目的とした出会いのイベントを開催することとなりました。
その第一弾が、**2025年2月14日のバレンタインデーに開催される『설렘, 아트나잇』**です。
『설렘, 아트나잇(ときめき、アートナイト)』とは?
『설렘, 아트나잇』は、芸術を通じた出会いをテーマにしたユニークなイベントです。参加者はミュージアムのような雰囲気の会場で名画を鑑賞しながら、新しい人との出会いを楽しむことができます。
開催概要
- 日時:2025年2月14日 19:00〜
- 場所:ソウル・ハンファ損害保険の漢南洞オフィス(ギャラリースタイルの会場)
- 対象:ソウル市在住の25〜45歳の未婚男女 100名
- 参加費:無料(ただし、5万ウォンのデポジットが必要で、参加確認後に全額返金)
- 申し込み方法:ソウル市の『몽땅정보 만능키』プラットフォームにて、1月13日〜1月31日まで受付
- 参加者選考:年齢や居住地を確認する書類審査後、無作為抽選で選出
プログラム内容
- アート鑑賞と解説
- 参加者は自分の好きな名画を選び、それをもとにしたグループが編成される。
- 専門のアートドーセント(解説者)が、各作品の魅力を解説。
- アイコンタクトパフォーマンス
- 相手の目をじっくり見つめることで、初対面の緊張を和らげる。
- 1対1の対話セッション
- 参加者同士がリラックスした雰囲気の中で交流を深める。
- 特別ディナー
- 軽食やワインを楽しみながらカジュアルな雰囲気で会話。
- マッチングタイム
- 気に入った相手を1〜3名選択し、翌日マッチング結果が通知される。

なぜ「アート」を通じた出会いなのか?
このイベントがアートをテーマにしている理由は、アートを通じた自然な会話と感性の共有が、より深い人間関係の形成につながると考えられているからです。
実際、韓国では「アートデート」が流行しており、美術館やギャラリーを訪れるカップルが増えています。アート作品を鑑賞しながら会話することで、価値観やセンスを共有しやすく、初対面でも会話が弾みやすいという利点があります。
また、一般的なマッチングイベントと違い、形式ばった自己紹介やプロフィール交換ではなく、作品を通じて自然に相手を知ることができる点も、このイベントの魅力のひとつです。
韓国の「カップル文化」と自治体の取り組み
韓国は「カップル文化」が根付いている国であり、恋人同士が記念日を大切にする習慣が特に強いです。バレンタインデーに限らず、ホワイトデー、ペペロデー(11月11日)、キスデー(6月14日)など、恋人向けの記念日が毎月のようにあります。
しかし、最近では恋愛をする若者が減り、未婚率が上昇しているため、自治体や企業が積極的に出会いの場を提供する動きが広がっています。今回の『설렘, 아트나잇』も、こうした社会的背景を踏まえた取り組みの一環です。

まとめ
ソウル市とハンファ損害保険がタッグを組んだ『설렘, 아트나잇』は、韓国ならではのユニークなバレンタインイベントとして注目を集めています。単なるマッチングイベントではなく、アートを通じて自然な交流を促す新しい形の出会いの場を提供することで、参加者がリラックスして新しい関係を築くことができるのが魅力です。
韓国では、今後もこうした文化的な要素を取り入れた出会いイベントが増えていくかもしれません。バレンタインデーに特別な出会いを求める人にとって、『설렘, 아트나잇』はまさにぴったりのイベントではないでしょうか。
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